一般住宅向け災害リスク評価

これまで自治体向けに行ってきました地震被害想定調査や防災アセスメント調査などの技術研究。そして地域防災計画や初動行動マニュアル、各種ハザードマップなどで培われてきたノウハウを、個人向け一般住宅の災害リスク評価として提供してまいります。

お住まいの場所や事業所はどんな災害に弱いか把握されていますか?

大地震が発生したら、建物は? 地盤は? 液状化は? 津波は?
台風や集中豪雨で、洪水や浸水にならないだろうか。
土砂災害の危険はないのだろうか。

いつ、どんな災害が発生しても対応できるよう「この場所なら」、「どんな災害が」、「どの程度の規模や範囲で」起きるのかを具体的に把握することが大切です。

今、お住まいになっている家や事業所の災害リスク(危険度)をピンポイントで調査・分析し、その対策案もご提案させていただく報告書を作成いたします。

このような方にお勧めです

  • お住まいの地盤が液状化対策の必要性があるのか、地盤試験を行う前に予備調査をすることができます(サウンディング試験やボーリング貫入試験の必要性の把握)。
  • 建物の耐震診断で高額な費用をかける前に、建物の予備調査(精密耐震診断の必要性)と地盤状況(揺れの増幅度)を把握することができます。
  • 建物の耐震補強工事にあたり、地盤状況(揺れの増幅度)に応じた補強工事を依頼することが可能となります。
  • 津波による影響(危険)はあるのか? 転居の必要性や適正な避難場所などを把握する事が可能となります。
  • 水害(浸水や洪水)による影響(危険)はあるのか? どのような備えが必要なのか、浸水危険度から予想される対策を講じることが可能となります。
  • 土砂災害による影響(危険度)はどの程度なのか、転居の必要性があるのかなどを把握する事が可能となります。
  • 自分が住む地域の避難所は地震や水害時に本当に使えるのか(危険要因の把握)。地域の防災力に応じた自宅の備えがどの程度必要なのかを把握する事が可能となります。
  • 地震による火災延焼の危険度を把握し、事前に防火対策することができます。
  • 地震保険に入る検討材料として、地震に対してのリスクを知ることができます。
  • 自分が住む家(場所)が災害に対してどのような脆弱性があるのかを知ることができます。

災害リスク評価報告書の調査項目

自然災害から人命および財産を守ることを目的としたリスク評価報告書です。
調査対象地における災害に対するリスク(危険性)評価を行い、その対策案を提示しています。

災害リスクの評価方法については、詳細な解析と独自調査手法により評価を行い、一切の利害関係を排除した第三者的な評価報告書です。また、対策案については適切と判断される一例を示しており、施策においては自己の責任でお願い致します。
なお、本報告書は各種災害に対しての保証をするものではありません。

※下記の調査項目は、事例として全項目を表記していますが、地域条件やオプションの選択、資料の有無により、項目が省略されることがあります。また、報告書は調査手法や評価方法、表記方法、見やすさなど、随時、改定を進めているため、予告なく変更される場合があります。

基本調査(必須調査)

A.調査地点の概要

木造建築物の密集率や建物損傷による出火・延焼の危険性、延焼遮断帯の有無。急激な都市化による内水氾濫。地域防災力にあった都市形成がなされているかなど、都市化または過疎化に伴う災害時の基本的な影響を整理します。

  1. 調査地点
  2. 周辺地図
  3. 詳細地図およびその範囲
  4. 調査地点の概要
    標高、交通、建蔽率/容積率、市街化の状況、用途区域、防火制限
  5. 旧版地図
  6. 履歴写真図
  7. 調査対象建物の概要
    種類、構造、床面積、築年
  8. 土地登記簿概要
    所在、地目、地籍、日付
  9. 公図または地籍測量図

調査地点の概要01調査地点の概要02


B.災害履歴

災害は繰り返し起きるという特性を踏まえて、この地域に影響があったと考えられる歴史的災害をまとめ、この地域における災害の弱点や癖を把握する事を目的としています。

  1. 災害履歴による評価
  2. 地震履歴(津波等含む)
  3. 風水害履歴(土砂災害を含む)
  4. その他(大火など)

災害履歴01災害履歴02


C.地震被害想定調査による調査地点の影響

この地域で想定できる地震が発生した場合の地震動や液状化、建物被害、火災、人的被害、ライフライン被害等について危険性を把握し、この場所にどのような影響があるのかを整理します。

  1. 想定地震による地震動(震度)と影響度
    気象庁震度階級と計測震度の関係、影響度の解説、想定震源の位置図
  2. 地震被害想定調査の概要
    地震動、液状化、建物被害、出火件数、人的被害、ライフラインの被害等
  3. 地震被害想定による調査地点の影響

地震被害想定調査による調査地点の影響01地震被害想定調査による調査地点の影響02


D.地震確率予測(参考)

自治体の発表する地震被害想定調査とは違う観点から、独立行政法人 防災科学技術研究所で提供される地震ハザードステーションの予測地図(2010年版)を基にして、この地域で地震が発生する規模と確率を把握し、防災対策の緊急性をみます。

  1. 今後30年間で震度6強以上に見舞われる確率の分布図

地震確率予測01


E.活断層概要

この地域において影響力が大きいと考えられる活断層(推定断層を含む)が存在する場合に概要を示し、その影響度を把握します。

  1. 活断層位置図
  2. 拡大位置図
  3. 活断層概要

活断層概要01活断層概要02


オプション調査 (任意選択)

F.地震による建物の耐震評価

阪神・淡路大震災の死亡原因は、建物や家具類等の転倒による圧迫死および建物の倒壊を原因とする火災が、死者の約8割を占めています。
東日本大震災においても、全壊13万戸、半壊26万戸もの被害が発生しており、鳥取西部地震や新潟県中越地震でも多くの全半壊の被害が発生しました。
このことからも地震において建物の損壊は生死を分ける要となります。
机上簡易調査と、建築士(耐震診断士)による現地調査の2種類をご用意しました。

下記のどちらかを選択
建物の机上耐震簡易評価…ご提供いただく資料に基づいた机上簡易調査

  1. 耐震評価
  2. 耐震診断表

建物の現地耐震予備調査…建築士(耐震診断士)による現地調査(提携協力会社へ依頼)

  1. 耐震評価
  2. 耐震診断表
  3. 建物耐力評価

地震による建物の耐震評価01地震による建物の耐震評価02


G.地震による地盤および液状化危険度評価

地震波は地表に達する過程において、地形や地質によって揺れの増幅が異なってきます。特に液状化によって地盤が増幅され、建物や道路陥没の影響だけでなく、地下埋設管である上下水道・ガス管、電線を支える電柱などのライフラインに対しても大きな影響を及ぼします。これまでの地震で液状化がなかった場所でも、揺れの大きさや周期によっては、今後、液状化が新たに発生する事も予想されます。
ここでは調査地点における地震発生時の地盤の揺れやすさと液状化のリスクを評価し、液状化対策の必要性があるのか、地盤試験を行う前に予備調査(サウンディング試験やボーリング貫入試験の必要性の把握)をすることができます。

  1. 評価結果
  2. 地盤状況
    土地条件図または地形分類図
  3. 表層地盤
  4. 液状化危険度調査
    液状化発生履歴、大規模な土地改変履歴、地震ハザードマップまたは防災アセスメント調査報告書、地盤調査会社による実績調査、調査地点および調査地点と同一条件下のボーリングデータなど

地震による地盤および液状化危険度評価01地震による地盤および液状化危険度評価02


H.地震による津波危険度評価

東日本大震災をはじめ、記憶に新しいスマトラ島沖地震、北海道南西沖地震(奥尻島)などは、津波が原因とされる死者が9割を占めています。これまでの調べによると、ただ単に逃げ遅れたのではなく「ここまで津波は来ないだろう」という先入観や油断が被害を拡大させたのではないかと考えられています。
津波危険度評価では、東日本大震災以降に再調査された地震被害想定調査の津波被害および津波ハザードマップの最大となる津波の高さや最短となる津波到達時間を踏まえて、調査地点の津波遡上の危険度を評価すると共に迅速な避難行動をとるために必要な避難場所の目安を記します。

  1. 評価結果
  2. 津波による被害想定概要
    地震被害想定調査による調査地点における津波の被害予測概要と津波浸水予測図
    (最大津波高、沿岸までの津波到達時間、浸水予測図)
  3. 調査地点概要
    沿岸から調査地点までの水平直線距離、標高および地形勾配、沿岸エリアの状況、調査地点エリアの状況、避難可能な場所および建物

地震による津波危険度評価01地震による津波危険度評価02

I.延焼火災危険度評価

地震による主な出火原因は建物の倒壊をきっかけにした漏電や電気器具、ガス、ストーブなどです。阪神・淡路大震災において神戸市長田区では木造家屋が密集していたため、より延焼被害が拡大しました。
地震による建物倒壊は地震の規模や建築年代に左右され、出火件数は季節や時間帯によって、さらに変化します。延焼火災は木造建物の密集率や風速で拡大されることから、調査対象地点を中心にした200×200m範囲内の不燃領域率の算定および調査対象建物の隣棟間隔、消火の困難性(4m未満道路)、延焼火災を食い止める延焼遮断帯(焼け止まりの役目をする非木造建物や道路・鉄道・河川)の現地調査を行い、延焼火災時の危険度を評価します。

  1. 評価結果
  2. 延焼危険度調査図
    現地調査による地域内の延焼時の危険範囲と延焼遮断帯、不燃領域率
  3. 調査対象建物の隣棟間隔
    隣棟間隔

延焼火災危険度評価01延焼火災危険度評価02


J.台風・集中豪雨時等による浸水・洪水危険度評価

水・浸水(冠水)の主な原因は台風や集中豪雨などによる大雨で、河川増水に伴う越水(溢水)や破堤(決壊)を引き起こす外水氾濫があげられます。また、近年では都市型水害と言われる下水等の排水処理能力を上回る内水氾濫があげられます。
浸水・洪水危険度評価では、これらの外水氾濫、内水氾濫を含めた総合的な評価を行い、併せて、重要水防区域や治水構造物などの概要を記します。

  1. 評価結果
  2. 浸水・洪水危険度調査図
    治水地形分類図、標高および地盤高図、浸水危険度概要(ハザードマップ、浸水想定図、内水氾濫)
    現地調査および都市計画基本図(地形図)の確認
  3. 重要水防区域概要
    調査地点に影響のある重要水防箇所
  4. 河川構造物(治水事業等)概要
    調整池、放水路等

台風・集中豪雨時等による浸水・洪水危険度評価01台風・集中豪雨時等による浸水・洪水危険度評価02


K.土石流、地すべり、がけ崩れ(急傾斜地崩壊)等の土砂災害危険度評価

大雨などによる土砂災害は、ほぼ毎年全国各地で被害が発生しています。
この主な原因は、梅雨の長雨や台風、集中豪雨による雨水とされています。特にこの40年間は山裾への宅地化や集中豪雨などの回数や雨量が増加したことも原因の一つとされています。
また、行政機関が指定する土砂災害危険箇所は、土砂災害の発生場所や範囲を特定するものではないことから、指定された土砂災害危険箇所の範囲外でも被害が発生することがあります。
土砂災害危険度評価では、各所管の資料を照らし合わせながら、現地での確認調査、詳細地形図での判読調査を行い、土砂災害の危険度を評価します。

  1. 評価結果
  2. 土砂災害警戒区域および土砂災害危険箇所の指定
  3. 現地調査図
  4. 現地写真

土石流、地すべり、がけ崩れ(急傾斜地崩壊)等の土砂災害危険度評価01土石流、地すべり、がけ崩れ(急傾斜地崩壊)等の土砂災害危険度評価02


L.地域における防災対応力評価

調査地点におけるエリア内で災害が発生した場合の防災対応力を評価します。
自分が住む地域に危険な施設はないか、地域の避難所は地震や水害時に本当に使えるのかなどを検証します。また、地域の防災力(共助)に対応した自宅の備えがどの程度必要なのかを把握し、地域の防災対応力が低い場合は、自己の防災力(耐震・機材・備蓄)を高める必要性を評価します。

  1. 評価結果
  2. 近隣の危険性要因調査
  3. 周辺避難所の防災適応力調査
  4. 周辺避難所の位置図
  5. 自主防災組織

地域における防災対応力評価01地域における防災対応力評価02


M.避難所カルテ調査および避難路調査

災害時、やむなく避難所へ移動する場合を想定して、家族構成(災害弱者と呼ばれる災害時要援護者など)を考慮した上で、災害種別(地震・水害・土砂災害)に適合した避難所の適応力を検証・評価します。併せて避難所までの適正な避難路の選定や避難方法を提示します。

  1. 周辺避難所の防災適応力調査
  2. 危険要素の抽出、防災資源の抽出
  3. 避難経路の検討(避難経路図)
  4. 避難の際の注意点

避難所カルテ調査および避難路調査01避難所カルテ調査および避難路調査02